悩めるキャリアの選択肢

僕は会社にサポートしてもらってこちらに来ているので、MBA修了後は今の会社に復職することがいちおう既定路線となっている。
とはいえ、過去も現在も、同じ立場でMBAに来て、修了後に退職する同僚も何人もいるし、金銭的にサポートしてもらっている分を返せば穏便に転職できる (キャッシュフロー的には大変だけど)。
だから、せっかく視野も機会も広がっているし、そもそも自分の人生だから好きなことをするつもりだし、キャリアについてもしょっちゅう悩んでいる。

ぶっちゃけ、渡米前にやっていた経営コンサルタントの仕事は今のところ大好きである。仕事への適性も今のポジションに関してはそれなりにあると思うし、一緒に働いた人も好きだし、日本でも海外でも楽しく仕事をしてきた。また、会社を離れて個人でコンサルタントをした時期も楽しかった。一方、試しにやったベンチャー(の手伝い)では、自分という人間がどういう場合になぜベンチャーに向いてないかを体験することができた。「せっかくシリコンバレースタンフォードなので」・「一度やってみたかったので」・「みんな(ではないが)やってるので」 etcetc という理由でベンチャーをする、という選択肢は全く考えていない。

もうひとつ悩ましいのが、自分の過去の人生体験によるような、強い方向性があんまりない、ということ。それもひとつ、ベンチャーのような個人のパッションが大きなドライバーとなる職業を選択しようと思わない理由の一つ。

そうすると、僕としては、来る半年・1年で、自分の知的興味の分野・業界とか、住みたい場所、能力の適性、その後のキャリアパスの可能性、といったことを考えてMBA直後の仕事を選んでいくだろう。あとは、当然だけど大事だと思うのが、やりたくないことは選ばないようにしたい。
また、戻る場所があり、そこをポジティブに捉えていて、更に7月には父親になるということで、就職活動に対するモチベーションとしてはだいぶ低い感じで活動することになるはず。

そんなことを思っているときに、先日、会社で同じプロジェクトでお世話になった同僚が遊びに来てくれた。彼は前途洋々な研究者で引く手数多のときに転職してうちの会社に入ってきたという、割と珍しい経歴の人である。
彼が言っていたのは、研究者の道で有望であったタイミングだからこそ転職できたし転職した。自分が今いい立場(つまり追い込まれている訳ではない)からこそ、強気で転職活動もできたし、よほどいい転職先・オファーでないと受けなかっただろう。また、「研究の道に残っていれば輝かしい将来があった・・・」と思うと、今の仕事でそれ以上の結果を出すモチベーションになる、と

言えてるなー、僕の立場にも当てはまるなー、と共感を覚えた。今の僕は、気楽なこれまでの人生の中でもとりわけ恵まれた時期で、戻る場所もあれば新たな選択肢も無限にある感じがする。しかもそれを追求する時間はたっぷりあるし、家族にも支えられている。できる範囲で強気に活動して、もしかすると前向きにリスクを取れる選択肢が現れるかもしれない。

避けたいのは、「逃げ」の転職、つまり「辞めることありき」で回避的なモチベーションで将来を選ぶこと。そのためにも、いい立場の間から活動する、というのが重要だと思う。追い込まれてから転職するのとでは、次の仕事を選び取り組む気持ちの面で違いが出るのは間違いないと思うし、出会える・手繰り寄せられる機会にも差が出るかもしれない。


そんなことを少しだけ考えつつ、出産前に妻と2人の時間を堪能したり、1人の趣味(テニス・運動など)を楽しんだりと、「就職活動へのモチベーション問題」が意外と大きいなぁ、と思う夏休みです。
キャリアについては他にもウダウダ思うことはあるので、また夏の間に書き留めようと思います。